熊本県が誇る極上の柑橘類「デコポン」は、果物の王様とも言われる不知火(シラヌヒ)の中でも、選果場でひとつひとつ光センサーを使って厳正な品質チェックを行い、基準に適合したものだけが与えられる称号であり、
デコポンの特徴は柑橘の中でも特に糖度が高く、みかんの中でも甘いのです。
だから「不知火(シラヌヒ)」という品種で、厳選されたモノだけ「デコポン」と名乗れます。
だからデコポンは美味しいのです。
デコポン発祥の地
デコポンの生産地である熊本県宇城市不知火町は、デコポンの発祥の地であり、県内一の生産量を誇り、県産デコポンのおよそ4割を占めています。高級フルーツとして贈答用にも人気があり、12月から出荷が始まり、関東を中心に関西や東北地方など全国各地へも運ばれています。
厳しい選果基準
デコポンは、ユニークな形と濃厚な香り、甘み、そして爽やかな酸味が魅力的です。しかし、デコポンと呼ぶには厳しいクリアをしなければなりません。
生産者によって持ち込まれたデコポンは、JA熊本うき果樹特産課の選果場で品質のチェックを受けます。デコポンの選果基準は、JA熊本果実連の登録商標であり、「糖度」と「酸度」の基準をクリアしたものだけが名乗れます。
この基準は甘みと酸味のバランスがよく、一番美味しい状態であることの証です。光センサーで振り分けられ、合格した果実にはデコポンシールが貼られて出荷され、合格しなかったものは「不知火」として出荷されます。
選果基準を設けた理由
なぜ選果基準を設けたのかJA熊本うき果樹特産課の土屋課長に聞きますと、
「「味を裏切らないと言うこと」熊本産のデコポンということを大事にして各農家も一生懸命頑張っています」
とのことです。
生産者の苦労
デコポンの基準をクリアするために生産者の皆さんが最も気を使うのが水やりです。
水をやると酸味は抑えられますが、やり過ぎると甘みが落ちるため、生産者は長年の経験から自分の畑に適した栽培方法を工夫しています。
選果基準をクリアするために生産者の皆さんが最も気を使うのが水やりです。このタイミングや回数で、甘味や酸味のバランスを調整します。
合格するためにどんなことをしているのか、デコポン生産農家の楠田さんに聞いてみると、
「クエン酸が基準を超えていたときは、1時間とか30分とかスプリンクラーで水をやるようにしています」とのことです。
生産者が語る美味しさの秘密
美味しさの秘密は三つの太陽の力です。
坂下さんによると、
「上からの太陽の光と地面からの反射の光、それと八代海からの海の光
この三つの光が非常に柑橘最美に適していた。
栽培される方の情熱や意気込みと「三つの太陽」があったからこそ
熊本のデコポンのおいしさが続いてきているのだと思います。」
今後どんなデコポンづくりをしたいか坂下さんに尋ねてみると、
「いまのところデコポンより美味しいものはないと思っていますので、
よりおいしいデコポンを作っていきたいと思っています」とのことです。
栽培の歴史
デコポンは今では熊本を代表する特産品のひとつですが、
宇城市で栽培されるようになったのは、およそ30年前。
国産だった甘夏みかんに代わる新しい品種として選ばれました。
黎明期からデコポンを栽培する生産農家
当時を知るデコポン生産農家の坂下さんは、デコポンとの出会いをこう話します。
「初めてデコポンを見た時、形が変だったから「これはおそらく駄目だ」と思いました」
とのことです。
それまでの柑橘類にはない「いびつなカタチ」とともに強い酸味。
商品化を諦めかけていたとき、たまたま貯蔵してあったこの果実を食べてみると
酸味が抜けて格段に美味しくなっていました。
その時に初めてこの新しい品種には、熟成期間が必要であることがわかったのです。
坂下さんによると「市場も卸も「これならいける」と言ってました。
それまで、甘夏に代わる品種はなかったけれど、柑橘類170種類のうち唯一ひとつだけこのデコポンがあったと
いうことですね。デコポンは農家にとって救世主」とのことです。
名前
デコポンは熊本県果実農業協同組合連合会が所有する登録商標であり、品種名は「不知火(シラヌヒ)」である。
「デコポン」はポンカンを父に、清見(キヨミ)を母として熊本で育った柑橘のサラブレッド。
名前の由来
デコポンの出っ張っている部分をデコ(凸)と言います。
果梗(かこう)部にデコ(凸)が現れやすいのが特徴で、その個性的な外観と優れた食味により
市場や消費者の方々から高い評価を受けており、
ユニークな形を逆手に取った愛嬌のあるネーミングで消費者の心を掴んでます。
栽培地域
熊本の南部に位置するリアス式海岸に面した温暖な芦北・水俣地域で、
安心・安全を基本に常に品質向上を目指し、柑橘類を栽培しています。
旬の時期
デコポンの出荷時期は12月のハウス物から始まって、
3月に旬を迎えます。
一番旬の時期は3月1日ごろからで、「3月1日」は「デコポンの日」ということで、記念日になってます。
貯蔵物のデコポンもあって、大体6月まで長期貯蔵しています。
だから12月から6月くらいまで、半年くらい長い期間デコポンを食べられます。
12月1日からの初売りのデコポンは、ハウスの中に暖房機を入れて暖かくして作っている。
そして1月から暖房機を入れないハウス物を出荷して
2月から路地栽培は出荷していく。
デコポンの旬は、その時々で
12月に旬を迎えるもの、
1月に旬を迎えるもの
そして2月から5月まで旬を迎えるもの
ずっとリレー方式で作っています。
デコポンの日
果実としてのデコポンは平成3年3月1日に熊本県から初めて市場に出荷されました。
平成18年には「デコポン」の初出荷から15周年を迎えた事を契機に
「デコポン」が初めて市場に出荷さてた3月1日を「デコポンの日」として制定し、
一般社団法人日本記念日協会に登録されました。
これからは「デコポン」の出荷最盛期に当たる「3月1日はデコポンの日」を
広く消費者の皆さんに積極的にアピールし、
また、「デコポン」の美味しさをPRすることで
ひとりでも多くの方々に「デコポン」を食べていただきたいと思っています。
収穫方法
- 収穫する際は、まず茎を長めに剪定
- 次は実を傷つけないように根元まで切断
デコポン専用のハサミ
収穫の際には、デコポン専用のハサミがあり、
普通のみかんのハサミより、刃の角度が曲がっています。
選果場
収穫されたデコポンはトラックで選果場に運んで、大きさや糖度を選別してお客様の元に届きます。
JAあしきたマルタ選果場では農家の方から出荷していただいたデコポンを2階の選果場に上げて選果を行います。
次にデコポンの入ったコンテナを選別機に移し、その際にイタミや傷などがないかを瞬時に確認します。
また、みかんの軸が長いものについては、ハサミで切り落とします。
光センサーとカメラによる選果
さらにデコポンを厳選して出荷する取り組みとして糖度と酸度の選別が可能な光センサー選果機を利用して基準が満たされたものを市場に出荷しています。
デコポンの大きさを選別する際には、カメラによりひとつ、ひとつを撮影します。
光センサーを使って糖度と大きさを測った後は、一定基準をクリアしたデコポンを等級、階級ごとに自動的に分けます。
等級は見た目で「秀」「優」「無印」の3つに選別します。
階級は直径の重さで「5L~L」の5階級に選別します。
人の目で最終確認
ひとつひとつ手作業で、丁寧に各サイズごとに箱詰めし、最終チェックをしながら、指定の重さになるように調整します。
例えば1箱の玉数は、5Lで12玉、4Lで15玉、3Lで18玉、2Lで20玉、Lで24玉
となります。
最後に最終確認をして、シールと短冊を入れて蓋をし、準備完了します。
厳選されたデコポンはトラックに運ばれ、市場に行って、皆さんの食卓に届きます。
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