阿蘇地域(あそちいき)は熊本県の北東部に位置し、雄大な阿蘇山を中心とした標高の高い土地と寒暖差の大きな気候を活かして、特徴的な果物栽培が行われています。

草千里ヶ浜(阿蘇市・南阿蘇村)
鍋ヶ滝(小国町)

阿蘇地域の市区町村・中心都市

  • 阿蘇郡
    • 阿蘇市
    • 小国町
    • 南小国町
    • 産山村
    • 南阿蘇村
    • 高森町
    • 西原村
    • 山都町(蘇陽地区)

阿蘇地域の中心は阿蘇市一の宮町であり、地域の行政および経済活動の中核を担っています。また南阿蘇村や高森町は観光や農業が盛んで、阿蘇の自然景観を活かした地域振興を行っています。

  • 行政の中心:阿蘇市一の宮町宮地(阿蘇地域振興局所在地)
  • 経済の中心:阿蘇市一の宮町宮地
宮地市街(阿蘇市一の宮町宮地)
(国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成)

一の宮町宮地は、2005年に阿蘇町、一の宮町、波野村が合併して誕生した阿蘇市および阿蘇地域全体の行政中心地で、市役所をはじめ、県や国の各種出先機関が集積している。阿蘇神社を中心とした歴史ある門前町には古い街並みが残され、近年は観光客向けにおしゃれなカフェや店舗が増え、人気スポットとなっている。阿蘇神社は全国に約500社ある阿蘇神社の総本社であり、火山信仰の中心として古代から重要な地位を占めてきた。近年の熊本地震では甚大な被害を受けたが、現在は再建が進んでいる。また、地区内では伝統的な祭事やイベントが盛んで、阿蘇地域の文化的な中心地としても重要な役割を担っている。

内牧温泉街(阿蘇市内牧)
(国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成)

内牧地区は旧阿蘇町の中心地で、古くから湯治場として栄えた歴史ある阿蘇内牧温泉を擁する観光・商業の拠点である。旅館やホテルが軒を連ね、多くの観光客や湯治客で賑わう。地区内には飲食店や土産店が集まり、阿蘇地域の名産品である「あか牛」、高菜、馬肉を使った「あか牛丼」「高菜めし」「馬刺し」などの郷土料理が観光客に人気となっている。また、阿蘇カルデラの雄大な景色が楽しめるほか、阿蘇観光の交通拠点としての機能も果たしている。

小国町宮原

小国町(おぐにまち)は、熊本県阿蘇郡にある町。肥後小国(ひごおぐに)とも呼ばれ、町域の約8割を山林が占め、その大半は特産の「小国杉」である。北部は大分県と接し、筑後川の源流である杖立川が流れる。
町の経済は林業が中心だったが、現在はジャージー牛の酪農や大根栽培など農業、杖立温泉などの観光業も盛んである。杖立温泉をはじめ、わいた温泉郷、奴留湯温泉、岳の湯温泉など、数多くの温泉地が点在する。
小国町は北里柴三郎の出身地として知られ、その生家は「北里柴三郎記念館」として整備されている。他にも鍋ヶ滝、小国両神社、坂本善三美術館などの観光スポットがある。
鉄道(国鉄宮原線)は廃止されており、現在は路線バスやコミュニティバスが町内外とを結ぶ交通手段として機能している。

高森町

高森町(たかもりまち)は、熊本県阿蘇郡にある町。阿蘇五岳の南東部に位置し、町の西側は阿蘇カルデラの内部(南郷谷)にあり、行政・商業・観光の中心となっている。町役場や南阿蘇鉄道の終点・高森駅もこの地域にある。東側は外輪山を挟み、奥阿蘇と呼ばれる地域で、大分県竹田市や宮崎県高千穂町に隣接する。
農業と観光業が経済の中心で、キャベツやスイカ・メロンなど高冷地野菜のブランド化を推進している。観光では根子岳や高森湧水トンネル公園、「九十九曲り」と呼ばれる桜の名所などが有名。地元の伝統料理である「高森田楽」や炭焼き地鶏も観光客に人気が高い。2013年には「日本で最も美しい村」連合に加盟した。

蘇陽町・馬見原(山都町)

蘇陽町はかつて熊本県阿蘇郡にあった町で、現在は合併により山都町の一部となっている。町の中心である馬見原地区は、江戸時代から肥後(熊本)と日向(宮崎)を結ぶ日向往還の宿場町として栄え、歴史的な街並みが残る。毎年開催される「火伏地蔵祭」は地蔵神輿に水を浴びせる伝統的な祭りで、商家によるユニークな造り物が特徴的である。蘇陽地区には古くから信仰される幣立神宮のほか、蘇陽峡や舟の口水源といった自然景観も豊富で、高冷地農業による米や高原野菜の生産も盛んである。

阿蘇地域の代表的なフルーツ

阿蘇地域は阿蘇山を中心とする標高が高く寒暖差の大きい気候と豊富な水資源を活かし、特色あるフルーツ栽培が盛んです。阿蘇市や南阿蘇村、高森町、西原村、山都町(蘇陽地区)では、ぶどう(シャインマスカット、巨峰など)、梨、柿、桃などが栽培されており、特に阿蘇産のりんごは糖度が高く甘味が凝縮されていると全国的に評価されています。また、小国町、南小国町、産山村の高原地域では、ブルーベリーや栗などの高冷地向け果物が盛んで、観光農園としても人気を集めています。地域全体で農業と観光を融合させた取り組みが活発で、特産品のブランド化や地域活性化を推進しています。

  • ぶどう(巨峰・シャインマスカットなど)
  • ブルーベリー
  • いちご(ゆうべになど)
  • 柚子(ゆず)